やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2018/09/18
時間外労働等改善助成金の収益計上時期はいつ?

[相談]

 当社では、厚生労働省管轄の「時間外労働等改善助成金」を活用し、新たに「勤務間インターバル制度」を全社に導入しようと考えています。
 その助成金に関する事業は当事業年度中に行うのですが、助成金の受給は翌事業年度となる見込みです。
 このような場合、法人税法上、その助成金はいつ収益(益金)に計上すればよいでしょうか。


[回答]

 ご相談の助成金については、法人税法上、助成金の支給対象となる事業を実施した事実があった日の属する事業年度(当事業年度)において収益(益金)計上するのが妥当と考えられます。


[解説]

1.時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)とは

 時間外労働等改善助成金とは、政府の「働き方改革」推進に伴い、労働時間の設定の改善等、労働環境の改善のための取り組みを企業が実施することを推進することを目的として、実際にそのような取り組みを行った企業に対し、その実施に要した費用の一部が助成されるという助成金です。
 この助成金は、昨年度(平成29年度)は「職場意識改善助成金」という名称でしたが、今年度においてその予算規模や対象範囲等が拡充され、時間外労働等改善助成金として新たに改組されました。
 この助成金には5つのコースが設けられており、そのうち「勤務間インターバル導入コース」とは、新規に9時間以上の勤務間インターバル(休息時間)を導入する中小事業主に対し、その制度導入に要した費用の一部(助成率:原則75%、上限:40万円または50万円)を国が助成するというものです。


2.時間外労働等改善助成金の収益(益金)計上時期

 時間外労働等改善助成金を受給するまでの大まかな流れは、次のとおりです。
  1. @対象事業についての実施計画を作成する
  2. Aその計画に基づいて国に助成金の交付申請を行う
  3. B国から助成金の交付決定を受ける
  4. C交付決定後、対象事業を実際に行い(資産の購入、経費の支払など)、助成金の支給申請を行う
  5. D支給申請に基づいて国が助成金の支給額を確定した後、助成金が支給される
 法人税法上、会社が支出する経費を補てんするために各種法令に基づいて交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、その事業年度の収益(益金)の額に算入するものとされています。
 上記の時間外労働等改善助成金の受給までの流れでいえば、助成金支給額は上記Dの段階で確定されることとなりますが、この助成金が事業実施のための経費の一部を助成するものであることから考えると、法人税法上は、上記Cの時点(対象事業実施時)において、助成金受給(予定)額を合理的に見積って、その事業年度の収益(益金)に計上することが妥当であると考えられます。


 助成金の収益(益金)計上時期がいつになるかによって、各事業年度の法人税法上の課税所得は変動します。このため、助成金を活用した事業を実施されようとする場合には、ぜひ事前に当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
 法基通2-1-42、時間外労働等改善助成金交付要綱など


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